ここ数日の新聞や雑誌の記事で、地価の高騰やマンション価格の上昇がピークになり、上昇基調は止まるのではというような内容が、立て続けに掲載されました。
今回の地価上昇は、不動産ファンド系の投資資金が不動産市場に流入したことにより本格化し、そこへ低金利による銀行や一般人の資金流入が加速させた。
また、一般住宅用の地価も、景気回復と団塊ジュニア世代の不動産購入が、この流れに乗って、地価を上昇させてきた。
地価高騰→マンション、建売用地の仕入れ価格上昇→エンドユーザーへの販売価格上昇→新築価格上昇により相対的に中古住宅価格も上昇という図式もあって、都心の好立地エリアでは購入時の価格よりも高く売れる中古マンションも出始めたほどである。
しかし、今回の地価上昇はバブル時の全ての地域が上昇するというものではなく、好立地とその影響を受けるエリアのみで、地価上昇の雰囲気さえない地域もある。
マンションに関しても、好立地の物件は、新築・中古を問わず、価格の上昇が続いているが、郊外・バス便の利便性に劣るマンションは、売れ残り住戸がある物件も多く存在する。
このような現状を踏まえ、不動産営業の第一線では今後の不動産市場がどのようになっていくと感じているのか、お伝えします。
1.マンション
新築、中古を問わず、好立地の物件のみ、高値安定もしくは相対的に高評価される。土地と同じだが、好立地のマンションそのものには限りがあり、車みたく次から次へと供給されるわけではないため。
ポイントは、都心へのアクセス(直通路線)と所要時間、ターミナル駅の利便性、再開発や区画整理されたような街の機能性、駅からの絶対的なアクセス(徒歩5分内がベスト、離れても10分まで)、商業施設や教育施設・公園などの生活利便性と評価など。
マンションという限られた期間の空間利用権が価格として評価されるのであるから、空間そのもの=立地が全てと言っても過言ではなく、資産価値として考えるのであれば、上記のポイントを意識することが大切である。
しかし、一定期間の利用権と割り切り、住居費を安く済ませようと郊外のマンションを安く購入するのも面白いと思う。この場合、価格は収入の2〜3倍程度が目安か、それと、築年数の考え方を、耐久年数ではなく、流通年数で見るべきで、できれば流通年数が切れる前に安くても売却して逃げ切れるようにすると良い。ここまで考えられれば、郊外のマンションもありである。
また、空間利用権の維持に大きな影響を持つ建物の質にこだわりを持つことも大事。言葉として定着した感のある“マンションは管理を買え”ということ。さらに、大は小を兼ねるという通り、今後の住宅事情から一人当たりの占有面積が増えることが予想されるため、少し広め、可変性の融通具合なども大事になる。
もし、私がを買うなら、好立地であり、築5〜10年程度の中古マンション。10年を一区切りとし、その後、売却しても賃貸しても良いような状況にする。当然、住宅ローンは10年完済が目標。
2.土地
マンションと同様、好立地の物件は、かなりの上昇を見せています。坪単価100万円では自宅→会社まで1時間圏内は限られてきており、厳しい通勤事情になる。(通勤1時間半、2時間でもという方もおりますが、私は実で1時間以内が適正かと判断します)
坪単価100万円は30坪なら土地だけで3,000万円。それに建物も入るわけだから、総額5,000万円は超え、6,000万円超などということも。収入がどのくらいかによって判断も変わりますが、平均所得からみたら7倍超。ちょっと異常値になっているのでは思われ、異常なら、市場原理から適正へと動くの自然。
このままの市況が今後も続くとは考えづらい要素は、現役世代の世帯数減・団塊世代の売却などからの需給状況、金利や住宅資材などの上昇による影響など。
所得が高い人も多いことから一部の好立地な地域、住宅事情以外の要素もあるマンションや企業も混在する地域などでは、ある程度の地価になることもあると思われるが、住宅地域では、普通の人が普通に購入できるような地価に落ち着くのではと思われる。
上記の適正通勤時間エリアの住宅地で、坪単価70万≒30坪2,000万円+建物2,500万円程度で4,500万円なら、平均収入5倍超程度になり、このあたりくらいが良いのでは。
ただし、住宅地の地価は、暮らしやすさ、生活のしやすさが影響することから、街並み、道路事情、生活施設に加え、災害や安全面で優位になる地域の評価が高くなることから、これらに優れているかどうかもポイント。
利便性に地域環境が加われば高値、利便性か地域環境のどちらかが標準的な評価、どちらも備えていなければ低評価となる。資産価値を考えれば、この部分をチェックし、あと、少し広めが今後の住宅事情からみてお勧め。
もし、私なら、郊外・広めの区画整理地。駅近くや利便性重視ならマンションを買うので、一戸建てならその逆の特徴で選びたいから。
3.住宅
ここ数年の地価上昇で、日本の住宅事情の悪い癖が出てきました。それは“土地重視”であり、資産としての要素に偏重しすぎること。資産価値も大事なことであるが、生活必需品の住宅を購入するのであれば、その主役になる建物にも意識を同程度に持ってもらいたい。
どちらを重視というよりは、どちらも五分、生活しやすい環境や利便性という外部要因(土地)と生活の場である内部要因(建物)の両方をバランス良く考えて欲しい。
どこの施行会社でも、新築した建物は、最新の設備が入り、きれいなのだから、暮らしやすくて満足度は高くなる。そのため、施行会社による違いを感じづらいが、土地と違って建物は経年による変化や傷みが出てくることから、購入する時の検討と同じくらい、10年後、20年後、30年後と、将来のことを検討するべき。
地価上昇の時期は土地の予算(希望を出しすぎて予算が高くなる)に多く持っていかれ、建物の予算を厳しくなりがち。土地と建物の両方を良いとこ取りしようとすれば、総予算が高くなる。
ひとつひとつの要素には、それぞれに意味があって、“じゃ、これはどうするだ”となれば、良い方にすべきという結論しかないが、これは比例して価格に反映してしまう。
雑誌やネットなどの情報では、それぞれの理想を書いてあるが、これを全て取り入れてしまっていては、予算が果てしないことになってしまうので、どれを採用して、どれを捨てるのかを判断しなければならない。
ここで何を採用するのか、できれば、目先の華やかな部分ではなく、基本的な性能、耐久性を重視して欲しい。この流れになれば、中古住宅の市場も充実してきて、これが地価の下落にも繋がる。
もし、私が建てるなら、高価格でも長期に渡り安心できる建物、アフター対応が良い会社に依頼する。または、短期と割り切り、業界のコネを使って、激安に建てるか。
以上が、今後の不動産市場についての感触であり、願望も込めて地価は下がる・下がるべきと思っている部分です。投資や事業用は別にしても、一般住宅は、マンションにしろ、地価にしろ、ちょっと異常値ではないかと思う。
住宅の購入が、生活の最優先事項ではない、人生の目的ではありませんから。他にお金の使い道はあるのでは。(浪費、消費を勧めているわけでもないので、念のため)
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