たねや?タネヤ?種屋?(06.04.15)
大手ハウスメーカーが出店している住宅展示場(住宅公園)に行き、その中をプラプラ歩いていると、各ハウスメーカーの入口に「土地情報がございます」「お土地探しもお手伝いします」などの文字が目に入った方も多いと思います。
先日、とある大手ハウスメーカーの役職の方から、「我々ハウスメーカーは、営業活動の一環として土地情報の提供など、不動産会社がやる営業活動を行なっているが問題ないのか?」というお問い合わせを頂きました。
不動産会社は県知事もしくは国土交通大臣より“宅地建物取引業”の免許を受けて営業しています。ハウスメーカーでもこの免許を取っている会社もございますが、宅建業の支店登録(もしくは従業員登録)をしていない場合、宅建業としての業務を行うことはできません。
お問い合わせ頂いた方も、免許がないのに不動産の営業をしていいのか、無免許営業に該当するのではとの心配からのことでした。
ハウスメーカーの営業の方には、不動産取引を経験したり、今までの経験値や知識から、ある程度存じ上げている方も居ますが、やはり不動産取引そのものについては一般の方に近いと感じます。
私はこのことを、不動産取引に精通しない担当が、不動産取引について、知人友人ではなく、顧客に対し行なうのは、不要なトラブルを起こす危険性もあり、営業活動の一環としておこなっているのだから好ましくないと思います。
しかし、法令に違反するかしないかは、国や県の見解ですので、県の不動産業課(宅建免許を管轄)に確認してみたところ、良いことではないが、ギリギリセーフとのこと。
これは国からのお達しで判断しているそうですが、契約締結そのものをしないことと手数料を受領しないことが見極めのポイントで、ハウスメーカーの場合、その会社が契約業務をしないし、手数料も受領しないのだから、問題ないと判断する。逆に言えば、これさえ守れば不動産に関する営業活動は何をしてもいい?
担当者は、不動産取引に関わることに、無免許の会社(担当)が深く関わることは良くないが、最終の責任として、免許を持った不動産会社が取引に携われば、その不動産会社が責任を取りることになり、消費者は保護されるから、消費者保護を目的とした宅地建物取引業法には抵触しないということではないかとの説明がありました。
この件に関して問い合わせをした時に、県の担当者から出た第一声が「たねやのことですね?」という言葉でした。私も業界に15年以上いますが、初めて聞いた言葉でしたので、「たねやって何ですか?」と尋ねたところ、不動産の取引になるきっかけを作る人(でも、取引に入らず、お客さんから手数料を受領しない)を「たねや」と呼ぶそうです。
何人かの業界人に聞いてみても誰も知らず、インターネットで調べてみても出てこないので、ホントにそんな言葉が隠語としてあるのかは分かりません。
ハウスメーカーの担当者も、顧客を不動産取引に導く作業をするわけで、確かに「たねや」の分類に入るかもしれません。最近は少なくなってきましたが、不動産の情報を回したりして不動産取引に結び付けようと活動する「不動産ブローカー」も似たような感じかもしれませんね。
業界を問わず大手でも不祥事が多いことから、そのダメージを避けるため、コンプライアンスに取り組むハウスメーカーとしては、法律に抵触しないということで、今まで通りの営業活動ができるわけですが、やはり、大きな金額の不動産取引に、免許も資格もない人が携わるのはいかがかと思います。
これは、ハウスメーカーが良い悪いではなく、業界そのものの問題なのでしょう。昨日入ったばかりで業界初めての営業マンが、不動産の販売活動をすることが可能なのこと自体が問題です。
知識も経験もない人が不動産取引に携われる現状を変えない限り、宅建業の主旨である消費者保護は遠い理想で終わってしまいます。法律が整備・改正される前に民間が動き出すのが常である通り、この問題に対応する新しい仕組みが先に出来上がりつつあります。
通常の不動産取引に関わる会社などの他に、別途費用を払って、コンサルタント・アドバイザーを依頼するのが普及しつつあります。しかし、これも無免許でできる仕事ですので、行政には、これも含めた新しい仕組みづくりが必要なのではないでしょうか。
しかし、無免許で商売を始めても、経験もないところには、信頼もなく、依頼をする人もいないでしょう。コンサルタントに依頼することを私は否定していませんし、このような仕組みの方が本来のあり方だと考えています。早く、今までの不動産業とこのコンサルタント業が融合した新しい不動産業務になることを願っています。
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